西宮ふるさとウォークラリー'98 10月4日西宮市でウォークラリーがあり、その内の 1コースを担当しました。 特筆すべきは、今回それを計画・実施したのが、ベンチャーの諸君だということです。 |
このウォークラリーは、第10回全国生涯学習フェスティバル'98 in 兵庫の西宮市開催地事業のひとつとして10月4日(日)の午前、市内で行われたものです。 ボーイスカウト西宮地区は全 6コース中の 1コースを運営しました。
今回は特に、西宮第16団と第9団のベンチャースカウトが企画・計画し、当日の運営は地区として行う形で実施しました。 もちろん、ベンチャースカウト達 (第16・9団以外からも参加多数) は当日もポイント作業を行うなど主体的に活動しましたが、コースの巡回警備や、緊急車などは、車や携帯電話が必要になるため、大人(成人指導者)に後方支援を要請しなければなりませんでした。 結局、大人として地区役員の皆さんにお手伝いいただいたのですが、ベンチャーにとっては、自分より遥かに年上の 祖父と孫ほどの年齢差がある 方達へ、作業を指示して動いてもらうなど、単なる運営以上の緊張を伴う活動になったものと思われます。 また、元々、このウォークラリーは、ボーイスカウト西宮地区が、西宮市から奉仕を依頼されたものでしたから、計画段階で、市の運営委員会とのやり取りが必要でした。
しかし、身内以外との直接の交渉をスカウト(高校生)にやらせるのは、不安があります。 市からの要請事項のスカウトへの落とし込みについて、スカウトと市の間に立つことによって、スカウト達が企画・計画に専念できるように努めました。 要するに、面倒な作業は指導者がかぶって、本当にベンチャーがやるべきプロジェクトとしての活動ができる環境を整えたわけです。
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スタートポイント |
チェックポイント (ファミリーでの参加も) |
(c)県連盟・地区が主催する大会に運営要員として奉仕して、自分に与えられた任務を遂行する。 (ベンチャー隊長ハンドブック p.49) |
を成就するには、サポートする大人と、計画するスカウトとの連携をどうするか、その仲介役のかかわり方が重要になると思われます。
この仕事を隊長がするのか、大会運営要員の指導者がやるのか、ケースは様々でしょうが、共に
十分な時間を割いてスカウトに働きかけをしてやることが必須です。
今回のウォークラリーは、これからのベンチャー活動においての、ひとつの典型的な形を成していた意味で、今後のために、記録を残し、評価・反省をかっちりやっておくことが必要でしょう。
そこで、以下ではこの考えに基づき、単なる活動の報告ではなく、実施に至る経過に重点を置いてウォークラリーをまとめることとします。
→ (参考) 内外へ提出した関連書類
≫ それでも、以下のことを知りたい方は...→ 当日の様子がまず見たい
→ 計画の内容について詳しく知りたい
→ そもそも「ウォークラリー」とは何かについて知りたい
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この中にあるように、ボーイスカウト西宮地区は、海の民・今津コースを担当することになったわけです。
ウォークラリーの計画は、はじめのうち(4月〜6月)は、市と共催 6団体の代表の間で進められました。
会議は月一回のペースです。
副コミッショナーの私(森地)は、ボーイスカウト西宮地区の代表として参加したのですが、
昨年までも EWC(市環境保全課)との間で似たようなウォークラリーがあり、地区からは、主として私が関わっていましたので...
全体的な構想をどうするのか(全体テーマを決めるか、内容を統一するかなど)を決定するところまで関わっていきました。各団体が 6コースのどれを担当するのか
なお、私は地区の代表と書きましたが、運営委員会 のボーイスカウト西宮地区の代表としては協議会長がその役に当たっておられますので、正確には代表は協議会長ということになります。
しかし、この運営委員会は実動部隊ではなく、実際の計画は、私を含む、別の委員会が進めていったのです。
以下、順を追って説明します。
項目は、
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ウォークラリーの全体構想の説明。
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西宮地区として正式に引き受けを決定。 | ||
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各コース担当団体の振り分け (ボーイスカウト西宮地区は今津に)。
ポイント課題の設定のための地域情報を各団体で収集し、交換して役立てることに決定。
すぐに、事務長から各団に情報収集を依頼。 11ヶ団より合わせて18通の回答を寄せていただきました。
これを、指定されたフォーマットに集計し提出。 |
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西宮の歴史・自然・文化についての勉強会。 ウォークラリーの勉強会。 各団体からのコースの提案と調整。 → 6/29 配布文書 |
結果的に、今津のコースが割り当てられたのですが、コースの中身(道順・ポイント課題)は各団体ごとに計画するということで、6月の会議は終了しました。
この時点で、私の独断でコースを決め、市には仮のものとして提出しています。
もちろん下見済み。
ここへきて、誰が具体的な内容を詰めていくのか思案しましたが、第16団のベンチャー隊長でもある、内田副コミッショナーに相談したところ、
自団のベンチャースカウト T君が、富士章取得のプロジェクトとしてテーマを探しているので、良ければ計画に参加させてくれないかという話があり、渡りに船で全面的に依頼することにしたのです。
T君は、これを「奉仕」の分野のアワードにするということでした。
それに同じ団の H君が、ポイントのクイズを考える中で「文化活動」のアワードを取得するということで、メンバに加わりました。
さらに第9団の A君も、以前に第16団のスカウトと一緒にキャンプしたつながりで、参画することになりました。
それでは、T君・H君・A君の計画書の冒頭を掲げてみましょう。
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以下は、この 3人のベンチャースカウトの間で、着々と計画が進められることになります。
でも、放ったらかしにしていたわけではありません。
むしろ、計画段階では、余計に手間がかかった...
私と内田副コミッショナーは、スカウトと市・地区のパイプ役になる必要がありました。
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ウォークラリーの概要の説明と、今後の計画方法の検討。 ただし、この会議の出席は極めて悪く、他の方法で、広く地区へ伝達する必要を感じた。 → 7/15 依頼文書 ウォークラリー勉強会の実施に向けて、永井進歩委員長に講師依頼。 |
上記の ウォークラリー勉強会 は、折角ベンチャーの プロジェクト として実施するのだから、単に運営するだけでなく、ウォークラリーについて掘り下げておく方が良いだろうという指導者の意見に基づき、指導者側で設定し、実施することになったものです。
この時点ではスカウトはまだ動き始めていません。
→ 案内文書
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T君・H君と私で、コースの下見に行き(私が独断で決めたコース)、ポイント候補地を確認する。 | ||
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ウォークラリーをベンチャーのプロジェクトとして進めていくことを説明。
計画の参加・協力を募る。 |
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→ 8/9 案内文書 | ||
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この日までに危険箇所・トイレ調査、ポイント内容を決定する。 そのためにもう一度コースをまわり再調査する。
ポイント内容は、H君がポイント候補になっている場所の郷土調査をしているので、それに基づいて考える。 |
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ウォークラリー勉強会の案内も含めて。 → 8/19 案内文書 |
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ウォークラリー勉強会(永井進歩委員長)。→ ウォークラリーとは ? 当日の作業内容の説明(ポイント運営・誘導・巡回)。 参加者に、当日の奉仕を依頼する。 |
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前半は私、後半は T君の合作。 → 9/7 提出した原稿 |
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→ 9/15 依頼文書 | ||
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コース・ポイント・ポイント内容 最終決定。 問題・コマ図の作成をする。 |
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ここまで、何度かの会議、各団への案内にもかかわらず、当日のサポートは得られずじまいでした。
そこで、コミッショナーに相談の上、地区委員長・野営行事委員長から地区役員(および各団 1名)の皆さんにサポートを要請することになりました。
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なお、CP1候補地の今津灯台が工事のため(9/15判明)、その現状報告も。 | ||
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→ 9/22 依頼文書 | ||
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各団のベンチャー隊を各ポイントに振り分ける。 各ポイントの作業内容を説明する。 |
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のぼり、スタンプ、バッジなど。
実施要領を市へ提出。 |
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この日までにコマ図を完成させ、それをコースを知らない人に見ながら歩いてもらう。 間違いまたは分かり難い箇所を指摘してもらい訂正する。 |
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実施要領に基づき内容を説明。 → 実施要領
担当者振り分け。 |
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全部の準備を済ませ、最終確認をする。 私も、名簿やチェックリストの作成など(ワープロの作業を)手伝いました。 |
前日までに準備した書類(一部)
ポイント作業指示書 実施要領はこれを要約したものです。 実行委員(スカウト)の方では もっと綿密な計画書が作成されていました。 |
ポイント問題掲示模造紙 |
ポイントチェックリスト |
コマ図(ウォークラリー)解説 |
コマ図 |
歩いたコースと 昔の海岸線の関係地図 GPで配布 |
絶好のウォークラリー日和になりました
ここまで来れば、大人は後方支援に徹するだけです。
スカウト達の晴れ舞台を邪魔しないように、でも十分にサポートしてやる...
当日は、絶好の秋晴れとなり、ウォークラリーにもってこいの日になりました。
私たちのコースに参加してくださった方は 12グループ 67人。
申し込みの時点では、19グループ 90人でしたので、20人余り減ったことになりますが、これは、当日が珍しく晴れの日曜日なったことが裏目に出たようです。
実は私の娘の学校もそのひとつ。
でも、子ども会のコースでは、ポイント担当の地域が運動会になって、ポイントができなくなり、急遽他の地区から応援を回したそうです。
各グループごとのポイント通過時間をまとめておきます。
最後のグループだけGPの時刻がありませんが、恐らく全体のゴールに直行して、私たちのゴールに気がつかなかったのだと思われます。
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(準備に追われるSP) (CP2 - 11団) (CP3 - 16団) |
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なお、スカウト達(H君、A君)には、もうひとつの晴れ舞台がありました。
ウォークラリーの終了後ひきつづいて、中央体育館でアトラクションが行われたのですが、その中で、各コースごとに代表が出て、ポイントの問題の答え合わせをしたのです。
なかなか、堂々としたものでしたよ。 |
【こぼれ話】 そんなはずでは... ひとつのイベントのプロセスの中では、いろいろ思ってもみなかったハプニングが起こるものです。 今回のウォークラリーで起こったことについて挙げてみましょう。
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報告と今後の課題につき説明 → 10/21 配布資料 |
(1) | ウォークラリーの内容については、スカウトが十分に練ってくれただけあって、良いものになったと思いますが、今後は一層の工夫が必要です。 | ||||
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ポイントクイズの掲示やコマ図などの作成にもっと時間をかければ、参加者がもっと楽しめるものにできたはずです。 コマ図の誤りも指摘されましたが、下見が不十分だったことが原因だと思われます。 いずれも、どの程度準備に時間をかけたか、また、計画している活動チーム員でうまく分担できたかの部分で、反省の必要があるでしょう (一人ではできない)。 |
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(2) | ウォークラリーについての基本的考え方を、計画する者だけでなく、当日サポートするスタッフ全員に共有化すべきでした。 | ||||
そうすれば、ウォークラリーの盛り上がり方が違ってくるでしょう。 さらに、ポイントやコース途中で参加者にする指示にしても、ニュアンスが変わってくることが考えられます (ウォークラリーのコンセプトにあった指示ができる)。 |
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(3) | ベンチャー活動に対する、地区の支援態勢を再検討しなければならないでしょう。 | ||||
10/21 地区委員会での報告でも述べましたが、今回に限らず今後のあらゆるベンチャー活動において、
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10/21 地区委員会で回収したアンケートの中から、代表的な回答を抜粋してみます。
・ ウォークラリー参加者はポイントを楽しんでいましたか。 |
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ポイントリーダーに、もう少し盛り上げる工夫が欲しい。 参加されている方への励ましがもう少しあった方が良い。 |
・ ポイントの運営人数は何人でしたか。また、その人数で足りていましたか。 |
数は問題ないが、プログラムの理解度が問題。 |
・ ウォークラリー参加者から質問や苦情はありませんでしたか。 |
やや分かり難い問題があった。 コマ図の誤りのため、戸惑っていた参加者がいた。 |
・ 今回のウォークラリーの感想をひとことお願いします |
ゴール地点で参加者がとても良い顔をしていた。 見て楽しめるコマ図作りが望まれる。 |
・ その他、お気づきの点を何でもご記入ください。 |
ウォークラリーの基本理念を持って、継続していくべきだ。 |
ともあれ、皆さんの献身的なご奉仕により、ひとつの仕事を無事終えることができました。
ウォークラリーは、スカウト活動で培った観察力や読図の技術が応用できる上に、